甘い魔法をあなたに
俺が魔法を使ってモニカを探し始めて数分。モニカは、魔法学園の敷地内にある図書館の隅の方でうずくまっていた。
「モニカ…」
俺がモニカに声をかけると、モニカは俺の姿を見て驚いていた。
俺は「昨日は、ごめんね。モニカの気持ちに気づいてあげれなくて」と謝った。すると、モニカは「私こそごめん…ルカを傷つけてしまって」と言う。
「……モニカのことを良く知っているつもりだったのに…気づけないなんて、俺…モニカの親友失格だよね」
俺がそう言うと、モニカは「失格なんかじゃないよ」と言った。
「違う…ルカは私の親友だよ」
モニカは、優しい笑みを俺に見せてくれた。その笑みと言葉に俺の心臓が高鳴る。
「そっか…ありがと」
俺もモニカに微笑み返した。
「ルカ…私、もう一度皆のことを信じてみようと思うんだ」
「……そっか。一気に信じようとしなくても良い。ちょっとずつで良いんだよ?」
俺がそう言うと、モニカはゆっくりとうなずいた。