甘い魔法をあなたに
甘い魔法をあなたに
ルカがモニカちゃんと仲直りをしてから、モニカちゃんは僕にも話しかけてくれるようになった(まだルカと僕以外には話しかけていない)。僕にも素を見せてくれるようにもなったし、しっかりと授業を受けるようにもなった。
――イタズラ好きなのは相変わらずだが。
いつしか、そんなモニカちゃんに恋をした。でも、僕よりもルカの方がお似合いだ。だって、あんなに楽しそうに話をしているのだから。
僕はうつむきながら、久しぶりに魔法学園の外に出ていた。今日は休日で、この町の皆が楽しみにしている花火大会の日なのだ。
「元気が無いなんて、ルイスらしくないね」
後ろから懐かしい声が聞こえ、僕は後ろを振り返った。そこに立っていたのは、僕の中学生の時に僕と良く話をしていた少女、ユキだった。中学生の時に、僕が好きだった子。ユキには彼氏が居て、僕は諦めざるを得なかった。
「ユキ…僕、好きな子が出来たんだけど」
「ルイスに好きな子…?どんな子!?」
ユキは、目を輝かせて僕を見つめた。その目の中に辛さが混ざっているような気がした。
「……でも、その恋は叶わない。だって、あの子には、あの子の幼なじみがお似合いだから。ねぇ、ユキはどうなの?学校は楽しい?」
「楽しいよ。あ、ルイスにまだ話してなかったことがあるんだけど…私、彼氏と別れたの。…私の好きな人はルイス、あなただけ」
ユキの発言に、僕は戸惑う。ユキは僕を優しく引き寄せて、僕の耳元でこうささやいた。
「私は、中学生の頃からルイスのことが好きです」