甘い魔法をあなたに
太陽が沈み、辺りが真っ暗になり始めた頃。俺は、モニカと2人で花火大会の会場に来ていた。
「あ、ルカにモニカちゃん!」
後ろから聞き覚えのある声が聞こえ、俺とモニカは後ろを振り返った。
「ルイスか…」
俺は、ルイスの姿を見て微笑んだ。ルイスの隣には、見慣れない女の子が立っていた。
「あ、えっと…私は、ユキと言います」
「俺の名前は、ルカです」
「私は、モニカ」
俺とモニカはユキちゃんに自己紹介をする。そして、俺はルイスを見つめた。
「あ…えっと…ユキは、僕の彼女だよ」
ルイスは、顔を真っ赤にして言った。
「え…!?」
俺は、ルイスの言葉に驚く。ルイスは、俺の様子を見て苦笑いをした。
「まぁ、驚くのも無理ないよね。ユキとは、僕と同じ中学校だったんだ」
ルイスはここで言葉を切ると、俺の耳元で「次はルカが告白する番だよ?頑張ってね」とささやく。その言葉に、俺の心臓が高鳴った。
「う、うるさい…な」
「じゃあ、僕らは行くね」
ルイスは俺に微笑むと、ユキちゃんの手を引いて人混みの中へ消えていった。
……やばい…きちんと俺の気持ちを伝えなきゃ…でも、何でこんなに緊張するんだろ。
俺は、恥ずかしさで視線を地面に落としながらモニカの腕を掴むとその場で手に握っていたステッキを振り、近くにある川辺にやってきた。