甘い魔法をあなたに
私は授業中、先生に向かってステッキを振り、魔法をかけようとした。しかし、先生は、それをすぐに解除した。
「…モニカ、魔法術の授業以外では魔法を使ってはいけません、と何回言ったら分かるんですか!?」
「すいませ~ん」
私は、ケラケラ笑いながら適当に謝った。先生は、いつものように呆れ顔を見せる。1人の女子から怒りのこもった視線が私に突き刺さり、思わず素を出してしまいそうになった。しかし、私は耐える。
私の隣に座っているルカは、呆れ顔を見せる皆とは違い、とても心配そうな顔を見せる。私は、気を紛らわすために居眠りをしようと机に突っ伏した。
「……モニカ!授業中は寝ない!」
「眠いから寝かせてよ~。良いでしょ?」
「ダメです!」
私は、深いため息をつくとルカを見つめた。ルカは、真面目に授業を受けよう、と目で言っている。
私は、仕方なく大人しく授業を受けることにした。