甘い魔法をあなたに
固く結ばれた糸



次の日の朝。私は、いつも通りにクラスに入ってみた。しかし、皆はいつもの迷惑そうな顔ではない。私は、それに疑問を抱いた。

「モニカちゃん…」

ルカの友達であるルイスが私に話しかけてくる。私は、思わず身構えた。

「あ、いや……僕、ずっと疑問があって。ルカは、何でモニカちゃんを怖がらずにいたのか…って。ルカとモニカちゃんって幼なじみだったんだね」

ルイスは、ルカみたいにふわっと微笑んだ。私は、戸惑うばかり。

「昨日、ルカがモニカちゃんを連れ出した後の授業が始まった時に少し遅れて、ルカが戻って来たんだけど…すごく傷ついた様子で先生に抱きついて泣いたから驚いた…皆、最初はモニカちゃんを攻めていたんだ」

一旦口を閉じたルイスは悲しそうな表情で私を見つめた後、また笑顔に戻り口を開いた。

「でも、ルカは『違う。モニカのせいじゃない…俺が悪いんだ…!それに、モニカは皆が思っているような悪い子じゃないっ!』て強く言ってたよ」

ルカが…泣いていた?それに、ルカが悪い…って…。私も悪いのに。

「……だから、僕は決めたんだ。一度モニカちゃんと話してみようって…」

ルイスは屈託のない笑顔で私を見た。

「……もう嫌なんだよ…仲良くするのが、友達になるのが…また裏切られるから…!」

私は、そう言って教室を飛び出した。
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