きみの理想の相手
「何言ってんの」
私は亮介の目から逸らした。
言わなくたって、わかる。
「……俺は理実のこと……」
亮介は私が目を逸らしたので、左肩を掴んで、私に言う。
だけど、私は何を言われるのかわかってしまい、話をそらした。
「…ごめん」
私は左肩にあった亮介の手を払い、もう少しで私たちがおりる停留所に着きそうだった。
〜〜とアナウンスの声が鳴り響いた。
停車ボタンを押さずに、ただ私は亮介の隣に座った。
奇跡的に停車ボタンを押す人がいて、ドアが閉まるかギリギリのとこで亮介を置いて降りた。
運転手さんは、ど、どうされますかと私に聞いてきたが、私は閉めて下さいと言った。