きみの理想の相手
急いで、地下鉄かバス停に向かおうとしている人、近くにコンビニがあるのでそこで買ったのかレジ袋を持っている人など。
いろんな人が学校、仕事などに向かっていた。
温かいカフェモカを両手で掴んで、口に運ぶ。
口の中で冷たくなっていたのが、私を温めるように肺まで入ってくる。
「はあー」
人が少ない店内で、一人ため息をついた。
ただ私は亮介とどうしたいのか考えた。
考えたって何も始まらないし、答えが出ない。
一つだけ言えるのは、私は金井さんが好きってことだっけ。
でも、好きだけでどうにもならないことだってある。金井さんは、まだ大学生で社会人になるまで経済面だって不安定。
わかってるよ、でもね。
心の中で自分に言いながら、椅子から立ち上がって、トレーにあるコップを持って片付けた。
店員さんにごちそうさまでしたと伝えて、自動ドアを潜ろうとしようとした瞬間、店員から声をかけられた。