きみの理想の相手
あの頃と変わらないけど、高校の時の恵くんより今の恵くんの方が生き生きしている気がする。

「…7年ぶりですかね」

少し言葉をつまらせた後、私は恵くんに答えた。

「…そっか。そんなに経ったんだね。今日は仕事は休み?」

「……休みました」

私は恵くんから目を逸らして、返事をした。


「今からどう?久しぶりにお茶しない?」

事情を察した恵くんは私に言う。

「え?」

私は恵くんの顔を見て、反応した。

「無理にとは言わないから。この後、仕事終わりだからどうかなと思って」

ただ優しく私の事情を考えて、答えを待ってくれる恵くんはあの頃の恵くんそのもの。

「……いいですよ。その代わり、話聞いてもらっていいですか?」

「それならお安い御用。あ、呼ばれてるから。あとで、じゃあ、ここに12時で」

恵くんは店員に呼ばれて、急いで戻っていた。

午前12時。さっき行った喫茶店で待ち合わせか。

今は、8時。
一旦家に戻って、着替えよう。

さっき飲み物とか飲んだけど、さすがに何も食べてないからお腹減ったなあ。

ご飯とか買って、家で食べよう。

私は近くにあったコンビニで買って、バスに乗り込んだ。
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