きみの理想の相手
無理もない。今日久しぶりに会ったばかりだ。困惑するに決まってる。
だけど、本心なんだ。僕の。
「無理とは言わないから。考えてほしい」
暦ちゃんにそう言ってから、俺は後悔と喜びが入れ混じっていた。
*
私は恵くんに会ってすぐに家に帰り、まだお昼前だというのに寝てしまった。
バスで帰り、布団にかぶって寝ていた時、電話の音が鳴り響いた。
「はい。暦だけど」
それは、琴美だった。
ベッドの近くにあった時計を見ると、夕方になっていた。
「電話したんだけど、今日仕事休み?」
琴美は何かを片付けているのか物音がする中、私に話しかけてきた。
「……色々あって、休み」
私は眠たい目をこすりながら、琴美の電話に答える。
「亮介先輩から連絡きたんだけど、なんかあった?」
「……ほんと色々ありすぎて、訳分からなくなってる」
私は思わず亮介という言葉に反応してしまった。
「亮介先輩。理実と話せないから。私から連絡してほしいって。どうしたの?」
「話、長くなるけど。時間ある?」
私は琴美に話したいことがたくさんあった。
「……わかった。いいよ。じゃあ、私が理実の家に行くから」
「え?いや、いいよ。わざわざ」
「いいの。仕事で近くまできてるから。18時には着くから」
「え?待って。琴美」
ブゥブゥと電話が切れた。
「もう一方的なんだから」
だけど、私を心配しているのだと思う。
高校の時もそうだった。
私が誰かに話を聞いてほしい時に察してくれて、いつも私の家に来てくれた。
それが、何より嬉しかったのを覚えている。
それから、数時間後
「はい」
ピンポーンとベルが鳴り響いた。
琴美が元気よくインターホンからでていた。
「琴美です!」
「……どうぞ」
私は素っ気なく返事をして、扉を開けた。
「琴美。静かにインターホンでてよ」
「ごめんって。なんとなく元気に出た方がいいかなと思って」
両手を合わせてから、琴美は私に謝っていた。
「もう。まあ、いいや入って」
それを見た私は目尻を下げて、琴美を見た。
仕事帰りだからか、疲れた顔をしていた。
疲れているのに、来てくれるだけで有難い。
私は一人暮らしなので、少し汚くなっていた部屋を素早く片付けて、琴美を部屋に上げ
た。
「全然、変わってないね。この部屋」
だけど、本心なんだ。僕の。
「無理とは言わないから。考えてほしい」
暦ちゃんにそう言ってから、俺は後悔と喜びが入れ混じっていた。
*
私は恵くんに会ってすぐに家に帰り、まだお昼前だというのに寝てしまった。
バスで帰り、布団にかぶって寝ていた時、電話の音が鳴り響いた。
「はい。暦だけど」
それは、琴美だった。
ベッドの近くにあった時計を見ると、夕方になっていた。
「電話したんだけど、今日仕事休み?」
琴美は何かを片付けているのか物音がする中、私に話しかけてきた。
「……色々あって、休み」
私は眠たい目をこすりながら、琴美の電話に答える。
「亮介先輩から連絡きたんだけど、なんかあった?」
「……ほんと色々ありすぎて、訳分からなくなってる」
私は思わず亮介という言葉に反応してしまった。
「亮介先輩。理実と話せないから。私から連絡してほしいって。どうしたの?」
「話、長くなるけど。時間ある?」
私は琴美に話したいことがたくさんあった。
「……わかった。いいよ。じゃあ、私が理実の家に行くから」
「え?いや、いいよ。わざわざ」
「いいの。仕事で近くまできてるから。18時には着くから」
「え?待って。琴美」
ブゥブゥと電話が切れた。
「もう一方的なんだから」
だけど、私を心配しているのだと思う。
高校の時もそうだった。
私が誰かに話を聞いてほしい時に察してくれて、いつも私の家に来てくれた。
それが、何より嬉しかったのを覚えている。
それから、数時間後
「はい」
ピンポーンとベルが鳴り響いた。
琴美が元気よくインターホンからでていた。
「琴美です!」
「……どうぞ」
私は素っ気なく返事をして、扉を開けた。
「琴美。静かにインターホンでてよ」
「ごめんって。なんとなく元気に出た方がいいかなと思って」
両手を合わせてから、琴美は私に謝っていた。
「もう。まあ、いいや入って」
それを見た私は目尻を下げて、琴美を見た。
仕事帰りだからか、疲れた顔をしていた。
疲れているのに、来てくれるだけで有難い。
私は一人暮らしなので、少し汚くなっていた部屋を素早く片付けて、琴美を部屋に上げ
た。
「全然、変わってないね。この部屋」