きみの理想の相手
琴美は私の部屋に入ると、キョロキョロしながら、部屋を見ていた。
「まあ、高校から使ってるからね。何か飲む?」
私はキッチンに行って、上の棚にあるインスタント類を開けた。
「じゃあ、コーヒー飲みたいな。ある?」
琴美はソファーに座り、鞄から携帯を取り出していた。
「あるよ。インスタントだけでいい?」
私は琴美がいる後ろを振り返り、私は返事をした。
「うん」
携帯をいじりながら、琴美は私に返事をした。
私はすぐ水道水をひねり、やかんに水を入れて火をつけて沸かした。
「今から作るから。待ってて。適当に漫画読んでもいいし。好きに過ごしててね」
「理実さ。なんでそんないいところあるのに、彼氏いないのが不思議だよね」
「え?いきなりどうしたの」
私はやかんをずっと見ていたので、後ろにいる琴美に振り返った。
「だって。高校から一緒だから分かるけどさ。彼氏できたのなんて、高校2年にできて、それ以降いないじゃない。なんで」
「こっちが聞きたいよ。なんで出来ないのか」
私は肩を落としてから、琴美に言う。
私だって誰かに聞けるなら、彼氏いない理由を教えてほしいよ。
心の中で呟いていた。
「……まあ、自分じゃわからないよね。でも、私が言うのはなんだけど。マジで理実、可愛いからね」
「そんなことないよ。琴美の方がかわいいし、モテるでしょ」
「……そんなモテないけどな。あ、お湯沸いてるよ」
琴美は携帯を弄るのはやめて、私の方を見ながら少し目を逸らしたあと、小さい声で私に発してから、大きい声で私に言う。
「あっ」
私はキッチンに行き、火を止めて、コップの中にインスタントコーヒーを二人分入れてから、お湯をコップに注ぐ。
そして、スプーンでかき混ぜる。
「はい」
私はカタッとテーブルに置いて、琴美と向き合う。
「それで、本題に入ろうじゃないの。どうなってんの一体。全然、亮介先輩話してくれないし」
琴美は頬杖をついて、私に興味津々に聞いてくる。
「……簡単に言えば、昨日、亮介と恵くんに告白された」
私は床に座って琴美と向き合わせになり、インスタントコーヒーを入れたコップを両手に持って私は発した。
「ゴホゴホ。はあ?二人とも。ってか、恵先輩に会ったの!」
琴美はコップに口をつけて、飲んだあと、咳払いしながら、驚いた様子で私に言う。
「うん。カフェで偶然。そこで言われた」
私は琴美にすぐに返事をした。
「うんうんってすぐに納得できないわ。