きみの理想の相手
 
私は亮介の目を見て、聞いた。

「元カレ」

 目を逸らしてから、亮介は照れくさそうに素直な言葉で言った。

「……それは、違うし。だったら、それは亮介の方」

 逆に私は驚いた。
 確かに。男性だということだけで、元カレと認識されるのは分かるが、亮介はそんな考えをしない。

 ちゃんと考えてから、物事を決めるタイプだと思っていた。

「…そうだな」

 亮介は認めてから、私の返事を待つように黙っていた。

「いつもの亮介じゃないよ」

 すぐ私は思ったことを亮介に言う。

「……俺、余裕ないんだよ。意外と」 

 亮介は、ハッとしたかのように私の方を見ていた。

「…高校の時は、そんなことなかったでしょ」

 私は亮介が考えているのは、分からない。

 だけど、自分なりの言葉を紡ぐ。

「あの時は、女子からモテた。どんな人も俺を好きになってた。だけど、唯一好きになら
なかったのは、理実だけだった」

「…モテてたよね。恵くんと別れてすぐ、付き合ってと言われた時は少しひいたよ」 

 そう私が言いながら、店長は、ハイッと何も頼んでないのに、当店オススメメニュー、店長ラーメン二つテーブルに置かれた。

「店長!どうしたんですか?」

「二人とも頑張ってるからさ。500円でいいよ」

「いやいや、店長お代はちゃんと出すよ」

 私は店長に申し訳そうな表情で言う。

「いいんだよ」

 返事だけをした店長はカレー、ラーメンを置いていた。

 料理だけ置いていた店長にお礼を言って、話の続きを亮介とした。

 亮介は、カレー、私はラーメンを食べることになった。

「話の続きしようか」 

 テーブルに置いていた箸を自分で取り、一口口に入れて、私は亮介と向き合う。

「高校の時、恵と付き合って、二人笑顔で話してるところを外から見ていた。その時思ったんだ。あんな笑顔で楽しい表情を見ていたけど、度々悲しい顔をしてるのを見かけた。俺だったら、こんな顔なんてさせないと思ったんだ」

 亮介は高校の頃を思い出すかのように、カレーをスプーンですくってからテーブルに置いて頬杖をつき、私に言う。

「……恵くんと付き合っていた頃から?」

 私はそんな亮介を見ながら、話しかける。

「ああ。その頃から好きで付き合うようになってからの方が楽しかった。けど、俺は自信
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