きみの理想の相手
その時、ピンポンとチャイムの音がした。

私は玄関の前に立ち、玄関ドアの小さい穴を覗くと、そこには尊くんがいた。

え？なんで？
私、尊くんに家、教えたっけ？

いや、教えていない。
なんで！？
疑問しかない。

そう思ってると、外から尊くんの声がした。

「急にごめん。家は、琴美ちゃんから聞いた。休みなのに」

尊くんはそう言って、私に伝えてきた。

琴美に聞いたのなら、連絡くるはずだけど。
テーブルに置いてあった携帯を確認すると、
一時間前にきていた。

理実！急に高2で同じクラスの同級生から連絡きて、尊くんが理実の家、教えてっていうから教えちゃった。あと、よろしく！

とラインが来ていた。

えー！そこ教える？
なんでよ。

ツッコミどころ満載だが、今は尊くんが来ているから。なんとかしないと。

まずは、家に入ってもらってから考えよう。

「いいよ。入って」

私は扉を開けて、ドアの前に立っていた尊くんは何かを失ったかのように憔悴していた。

「あ、ありがとう」

尊くんは、靴を脱ぎ、部屋に上がった。
男性を部屋にあげるのは少し抵抗があったが、
私に何か用事があって来たのだから。

「じゅあ、ここ座ってて」

私はソファーに尊くんを誘導して、座ってもらった。
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