きみの理想の相手
元カレ登場と期待
「んで、どうなったの?」
私に話しかけてくるのは琴美。
「なにって。特に何もないよ」
私はブスッと口元を尖らせて、つまらなそうな顔で琴美に言う。
私たちは久々に遊びに出かけた。遊ぶ場所は、カラオケ。
いわゆる、ストレス発散である。仕事のことプライベートのことをとにかく言いまくって歌う。
話しているときは、少し休憩タイム。
だから、今二人で話している。
「……ふーん。で、想い人から連絡はきたの」
琴美はカラオケでいつも頼むハイボールを片手に持って、話しかけてくる。本当、お酒は強いんだから。
「…悲しいことにきてない」
「……私さ、思うんだけど。その想い人は理実のこと知ってんの?」
図星なことを琴美が言ってくる。
「…わからない」
私は一言だけ言うと、琴美はため息をついていた。
「理実さ、自分が人にどう思われているのか
分からない?」
琴美は私を見ながら、言ってくる。
「いきなりどうしたの? 琴美」
私は戸惑いをしながら、琴美に聞く。
「私は理実には幸せになってほしいの。だから、あんたが知らない人と恋愛するのは心配」
琴美は私の方を見てから、心配そうに私に言った。
そんな時、カラオケ店員がやってきた。
グレー色の髪で前髪が少し長くて、大きな目で鍛えられた体型をしていた。
「お待たせしました。ピザお持ちしました」
「…ありがとうございます」
私は店員さんに礼を言って、目を合わせようとしたら、見たことある人が私の目の前にいた。