きみの理想の相手
「…そうだな。好きだから。ずっと前から。大人になってもイマイチでなんだか物足りなかった。だけど、なんか暦といると、弱いところ見せられる。そんな理由じゃ駄目?」
尊くんは胡座をかいて、両手を膝の上に置いて、私と目線を合わせる。
「…駄目ではないけど」
私はそんな眼差しを向ける尊くんに目を逸らさないで見つめていた。
「……まあ、考えてみて。返事はいつまででもいいよ」
尊くんは恥ずかしそうに私に言う。
じっーと私は尊くんを見つめていると、尊くんは目を逸らしてから顔に手を当てていた。
尊くんは、顔が少し赤かった気がした。
「……う、うん」
私はそんな尊くんの姿は、初めて見たので正直そんな姿にキュンとした。
「あ、でもちゃんと考えてよ、俺のこと」
尊くんはまた立ち上がり、私に言い放って帰っていた。
結局、尊くんの秘密が分かったけど、私に好意を寄せていた。
むしろ、尊くん高校の頃から自分のこと話さなかったら、驚きより少しだけ嬉しさを感じる。
私は立ち上がることは出来ず、ペタンと座り込んで、夢にいるかという程、乙女ゲームの世界に迷い込んだ気がした。
こんなこと現実に起こるのかという程に。
これは、まさしくモテ期なのか。
自分が一体どうしたいのか分からないでいた。