きみの理想の相手

「さっきほどはどうも。はじめまして。暦理実です」

私は廉という人物に礼をして、挨拶をした。

「噂は聞いてます。僕は廉と言います。会えて嬉しいです。じゃあ、輝と暦さん、一緒に?」

廉はニコッと笑った後、私と金井さんに言う。

「え?」

私は驚いた様子で、金井さんを見た。

「…どうです?」

廉さんは私にそう言った後、誰かの声がした。
金井さんはただ黙っていた。
後ろを振り返ると、恵くんがいた。

「え?なんで恵くん」

金井さんは考えていると、後ろにいる恵くんに気がついた。

「廉から連絡きたんだ」

恵くんはさっきほど私が断ったばかりなのに、今会うなんて、気まずい。

なんで、廉さんは恵くんを呼んだんだろう。

「はあ?」

金井さんは、口を大きくあけて、あんぐりとしている様子だった。

廉さんを見ると、ニヤリと笑っていた。
なんでそんなことするの?

「まずは、カフェでゆっくり座って話しよう。輝は、仕事もうすぐ終わるだろう。それ終わったら、下で待ってるから」

恵くんは冷静に私たちの現状を把握した上で、言い放つ。

こういう時は、いつも恵くんがいると解決する。

「…わかった」

金井さんは返事をして、仕事場に戻っていた。

「…俺たちは下にあるカフェに行こうか」

恵くんの言葉で、廉さんと恵くんと私で下にあるカフェに入った。

廉さんは金井さんに連絡をするのか携帯を取り出していた。

「今、このカフェにいるって、輝に連絡しました」

廉さんはやはり金井さんに連絡していたようだ。

「そっか。じゃあ、俺たちはその間、ゆっくりしてようか。なんか頼む?」

恵くんは椅子に座り、落ちついた雰囲気で、私たちに言った。
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