きみの理想の相手
「そうですか。よかったです。では、行きましょう」
ニコッと笑った彼はとても可愛く、ずっと彼を見ていられるくらいかっこよかった。
「……は、はい」
私は彼の目を見ることが出来なかった。
金井さんの要望で、仙田駅に向かうために地下鉄に乗った。
両向かいには、お年寄りの夫婦が座っていた。
私たちは、地下鉄が空いていたのでとなり同士で座った。
なんだか、緊張する。
うぉ、手が汗ばんできた。
ガタンゴトンと地下鉄の音をしながら、目的地である駅に到着した。
地下鉄を降りたら、私は彼の隣でぎこちなく歩いていた。
好きな人が隣にいることがどんだけ幸せなのか、今なら分かる。
彼を見ていると、あっと声を上げて、彼が私の方を振り向いた。
「あ、理実さん。俺昨日調べて、いいところあったんですけど、いきます?」
金井さんは微笑みながら、私に言ってきた。