きみの理想の相手
 ゆっくりとお茶を飲み、満喫していた。


 この時間帯では、カップルはいなかった。


「……」


 注文メニューをお互い開きながら、一人ひとり注文表を黙ったまま見ていた。


 金井さんと向かい合って席に着いていた。


 数分黙り込んで、金井さんが声を発した。


「あの、ここでよかったですか。」

 金井さんは、私に向かって話しかけてきた。

「え?」

 私は目を丸くして、金井さんを見た。

「いや、楽しそうにしてるかなと思って」

 金井さんは私をちらりと見ながら、私の顔を伺っていた。

「大丈夫ですよ。ここで」

 私は金井さんの目を見て、彼を見据えた。
 
「よかったですか?女性の方は、何が喜ぶのかなと思って、考えたら、パンケーキ屋にしようと思ったんです」
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