きみの理想の相手

 金井さんは、私にそこまで考えてくれて、連れてきてくれたんだ。

 そう思うと、私は一人で嬉しくなった。

「……ありがとうございます」

 私は金井さんに礼をした。

「….じゃあ、注文しましょうか。決まりました?」

「あ、ちょっと待って下さい」

 私はまだ決めていなかった注文メニューを急いで見ていた。

 すると、金井さんは笑っていた。

「…いいんですよ、ゆっくりで」

 私を見ながら笑っていた。

「な、なんですか」

 私はムッとしたような顔をしながら、金井さんを見た。

「…いや、だって。ゆっくりでもいいのに急いでるから」

 目を細めて金井さんは、笑っていた。

「それでも、笑わないでくださいよ」

 私は金井さんの顔を見て、恥ずかしそうにした。

「ごめんなさい。だけど、面白かったです」

「金井さん」
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