きみの理想の相手

 金井さんは、私と話している間にパンケーキがやってきた。

「こちらは、普通のパンケーキです」

 店員が言うと、私ははいと手を挙げて店員に主張した。
 普通のパンケーキが誰だか分かると、テーブルにカタッと置いた。

「もう一つは、チョコミントパンケーキです」

 店員は、金井さんの方に置き、これで以上となりますと言って、伝票を置いて去っていた。

 私はテーブルの端に置いてあった、フォークとナイフを金井さんに渡した。

「ありがとうございます。じゃあ、頂きましょうか」

 私が渡したフォークとナイフを持って、頂きますと言ってから私たちは食べ始めた。

「あ、これ美味しいです。ふんわりしていて、甘くて」

「それも美味しそうですね。俺のも美味しいですよ。食べてみます?」

 金井さんは、フォークで口の中にチョコミントパンケーキを頬張ってから、悪意のない笑顔で私に言ってきた。

「…いや」

金井さんは気づいていて、私に言っているのだろうか。間接的にお互いの口をつけることに。

「遠慮せずに、ほら、はい」

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