きみの理想の相手
 私は一番早く帰宅する。
 それはなぜかというと、いつも通っている本屋に寄っている。

 月・水・金・土曜日なると、いつも私が気になっている人がいるから忙しくても時間を見つけて毎日通っている。

 いた!苗字は、金井(かねい)さん。名前までは分からないけど。
 この人と初めて会った時、衝撃が走った。

 ビビッと胸の中が何かを突き刺さった。
 この気持ちは多分、一目ぼれであった。

 前に入院していた私は看護師さんに恋をしたことがあったけど、何も伝わらないまま退院してしまった。退院した時、私は後悔したのだ。

 なんで自分の言葉で言わなかったんだろう。
私の人生の中で初めてこういう気持ちになったのに。

 だから、今度こそ私の言葉で伝えたいと思っているのに、話しかけるタイミングがない。

 何かきっかけを作りたいと心の中で思っているが中々行動にできない。

 どうしたらいいものか。
 バスに乗りながら、考え込んでいたら、いつの間にか駅についていた。

 よし、本屋に行って最新情報の漫画・小説をリサーチしてこよう。

 エレベーターの方に向かい、4階のボタンを押した。

4階には行きつけの野村書店に向かった。

 すると、本屋の前を通り過ぎると、会計スペースには、私が気になっている人がいた。

 慌てて、最新刊の小説を手にして、レジに向かった。

 「こちらで承ります。どうぞ」

 私は会計スペースで並んでいた所を金井さんが私に声をかけてきた。

 私はその声を受けて、金井さんはカバーしますかと聞いてきた。

「…はい、お願いします」

 目の前で買いたかった小説を金井さんが手に取り、金井さんはカバーをしてくれた。

 「こちら、550円でございます」

 手慣れた手つきで本にカバーをつけて、会計をする。
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