きみの理想の相手

「……っ、なんですか」

私は金井さんを見ると、彼も私を見ていたので、思わず彼に言った。

「なんでもないですよ」

 ニコッと私に金井さんは微笑んで私に言う。

 だけど、初対面同然なのに、楽しそうにしてくれる。

 金井さんは、何故私をこんなに楽しませてくれるのか。

 やっぱり、モテるから違うのかな。

 私は金井さんにどう思われているのだろうか。

 パンケーキを食べながら、たわいのない会話をした。

 学校は、どこか。趣味は何か。

 あとは、家族構成、血液型などと学校のこと、プライベートの話までした。

「じゃあ、行きますか?」

 二人ともパンケーキを食べた後、金井さんは私に声をかけてくれた。

 金井さんは財布を出していて、すかさずそれを見た私は思わず、カバンから財布を出した。

「いやいや、ここは私が払いますよ。ここまで連れて来てくださったんですから」

 そう言った私だったが、金井さんは聞こえなかったのか会計スペースに行こうと前に歩いていた。

 それを見た私は、金井さんの右腕を掴んだ。

 うん?と後ろを振り返った金井さんは、私を見据えた。
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