きみの理想の相手
「ここは私が払います」

「いいですよ。俺が払います。俺が払いたいんですよ」

「でも……」

 私は金井さんに申し訳なくなり、眉を下げた。

「理美さん。俺が払いたいんです。だから、理美さんはいいんですよ」

 金井さんは、私が持っていた財布を手に取り、
私と手を重ねて見てきた。

え?

私は至近距離にいた金井さんを目を丸くして見た。

 金井さんと手が重なっていることに、驚きと戸惑いが混ざり合いながらも胸がドキドキしていた。

 心臓が破裂しそうなくらい、私は胸がいっぱいだった。

 お互い手を重ねてから金井さんは笑顔で私に微笑んで、会計スペースにいた店員に声をかけていた。

「…ご馳走様でした」

 私は金井さんがお金を払って、カバンに財布を入れようとしていた瞬間に声をかけた。

 ゴソゴソとカバンに財布を入れてから、金井さんは私を見る。

「はい」

 金井さんはまた私の心を揺さぶるように、笑顔で私に答えた。

 私と金井さんはパンケーキ屋を出たあと、歩きながら話をした。

 そして、そこから

 いま何かやってみたいことはあるかと話になり、お互いダーツをやったことがないので、ダーツがある店に行った。

 自動ドアを通り抜けて、私たちはダーツがある場所に来店した。

 すると、そこにはたくさんの人がいた。

 高校生、カップル連れ、夫婦

 あとは、大学生が多数いた。

 私たちは世間的から見て、カップルに見えるんだろうか。

 受付を済ませてから、指定された所へ向かった。
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