きみの理想の相手
私はすぐ立ち上がって、金井さんの元へ駆け寄った。
「当たりましたね」
私は金井さんの元へ行くと、私をみて笑っていた。
「あはは。なんかいいですね。これ」
ダーツを指差して、私に話しかけてきた。
「…楽しいですね」
私がそう言うと、金井さんは躊躇なく私に言う。
「理美さんといると、何でも楽しいです」
金井さんはダーツの前で、私を見据えるように声を発した。
その姿はとても真剣な表情で真っ直ぐに伝えてくれている気がした。
「あはは」
私は頭をかきながら、金井さんの目は見れずにただ笑うことしか出来なかった。
まさか、金井さんからそんなことを言われるなんて、思ってもいなかったから。
その言葉に照れた私は、ダーツを続けたが、何も頭から入ってこなかった。
ダーツを一時間ほどやったら、会計を済ませた。
ダーツ店を出たあと、時計を見ると17時を回っていた。
「あ、どうします?これから」
「もう少し、俺は話したいと思うんですけど、理美さんはどうですか?」
金井さんはダーツ店の玄関前で、私の真正面で
伝えてくれた。
それは私にとって、すごい嬉しかった。
真っ直ぐに私に伝えてくれたことがどれほど嬉しかったか。