きみの理想の相手

 茶髪で少しウネウネしている前髪があって、顔はイケメン俳優で現在売れている吉沢亮に似ている。

また、自分の健康などに気を付けているのだろう。細身だけど、健康的な体型をしていた。

 かわいい顔をしているけど、どこか男らしさを感じる。

 どうしよう。この人の前に立つと、心臓の音がうるさい。

 こんなにもこの人のことが好きなんだ。

 私の目の前にいる金井さんがキラキラと輝いて見える。

 これは、恋の魔法なのか。

「ちょうどお預かりします。ありがとうございます」

ニコッと言った彼はきらきらしていた。

 私はただのお客様でしかない。だけど、あんな自然な顔をする彼をもっと見てみたいと思うのは、ダメなのだろうか。

「お客様、どうされましたか」

 下に俯いていた私は、金井さんは下から覗き込むように聞いてきた。

 金井さんと近距離に戸惑い、後ろに下がり、金井さんに話しかけた。

「……大丈夫です。ありがとうございます」

 そう言って、私は逃げるように駆け足で帰った。

 帰りのバスで、私は赤くなっている自分の頬を触った。

 とてつもなく赤く、熱がこもっていた。

 こんなにも、人を好きになったことは今までであっただろうか。

 いや、私の中ではない。

 彼氏はいたことはあるけど、それは相手から告白されたから、付き合ってもいいかという軽い気持ちで返事をした。

 一カ月経ってから、私の方から振った。

 高校2年生の頃、夏の暑さが強くなってきた時期であった。

 懐かしいな。

 そういえばあの先輩、何してるんだろうな。まぁ、私には関係ないけど。

 だけど、日に日に私はあの先輩に恋をしていた。
初めて人を好きになったのは、先輩だった。

 今は、金井さんに恋をしているから関係ないけど。

 ちゃんと思いを金井さんに伝えないと。
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