きみの理想の相手
「ああ、あそこか。俺は前、理実がきたカラオケ店で働いてる」
「知ってる」
私は隣にいて歩いてる亮介は、高校生とは違くなっていた。
少し違和感があったけど、今と昔でも変わらないのは、亮介のままだからだと思う。
「…なんか変な感じするな」
亮介は少し笑ってから、私に言う。
「なんで?」
「だって、高校ぶりだし。理実も変わっててビックリしたよ」
私は亮介の言葉に驚いた。
そんなの私だって思ったよ。
だけど、言葉にされると私たちはもう高校生ではなく、一社会人なんだと思わせる。
「…そうかな。私たちも大人になったんじゃない?」
「…そうかもな。理実、家はどこらへんだ」
ここから近いので、歩いていける距離だ。
「ここ真っ直ぐ行けば、すぐ着くから。ここで大丈夫だよ」
私はコンビニ近くで止まり、亮介は足を止めて私に言う。