きみの理想の相手
「そうか。わかった。気をつけて帰れよな」
「亮介、ありがとうね」
私は目の前にいる亮介が私の目を見てから、じゃあ、と手を上げて去っていた。
亮介は、優しくて元気でいつも場を盛り上げてくれて明るさは変わらない。
私はあの日あの時の亮介の顔が眼に浮かぶ。
高校時代にタイムスリップしたみたいだ。
私は家に着くと、鍵を開けて部屋に入った。
一人暮らしのアパートには、誰もいない。
帰ってくると、なんだか切なくなる。
私は携帯をロック解除にして、メールを開く。
それは、金井さんのメールを無意識に開いていた。何も用事はないけど、ただ連絡してみたくなった。
亮介に会うと、高校時代の思い出が思い出される中、何かが嫌になるんだ。
自分の嫌いな部分が、やけに胸の中で大きくなる。
私は無意識にメールを彼に送った。