きみの理想の相手
私は目を丸くして、金井さんを見つめていた。すると、私が分かったのか、私に向かって笑いかけてきた。
私の後ろを振り返っても誰もいなかった。
そして、前を向くと、金井さんはまだいた。
金井さんは自分の鼻に人差し指をあてて、口で何が言っていた。
あとで、連絡します
と誰にも分からないように口で合図してくれた。金井さんは口に人差し指をあててから、私を見つめていた。
私は、茫然と立ちつくす中、数秒経った後、我に帰った。
目の前には金井さんはいなくなっていた。
自分の心臓を右手で押さえてから、私はさっきあった出来事を思い出した。