きみの理想の相手

 私は不敵な笑みを浮かべて、ニコリと彼に言った。

「すいません。少し外の空気吸ってきます」

 彼が笑った後、私は他の職員に事情を言ってから、外に出た。

 その時は、お天気雨で、晴れてるのに雨が降っていた。

 まさに、私の気持ちが天気に出ていて、泣きそうになった。

 上司は仕事サボり気味。

 サービス管理責任者の根本さんは、自分のことで精一杯。

 課長は人ごと。

 誰も信頼できる人がいない。

 私はもうどうでもよくなっていた。

 ふぅーとため息をついてから、自分の心の整理をして、仕事に戻った。

 いいことがあると、いつも嫌なことがある。
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