きみの理想の相手

 急に電話してくると思ったら、これについてか。え? 待って。

「はあ?どういうこと?」

私は思っていたことを口にした。

「いや、特には」

聞いてくるのはいいが、何を言えばいいか分からなくなる。

だけど、私が思ってることは大体当たってる。

「いるよ。じゃあね」

私は素っ気なく返事をしてから、一方的に電話を切った。

その後すぐにバスはきて、乗り込んだ。

私は琴美に連絡した。

琴美、亮介になんか言った?

と一言、ラインを送った。

すぐには返信はこなかったが、10分後にバスが駅に着くと、ラインではなく、電話できた。

ブゥブゥ

「琴美。今、大丈夫なの?」

電話の主は、琴美だった。

「大丈夫だよ」

「この前はごめんね。亮介の同期の吉木さんに送って貰っちゃったけど、大丈夫だった?」

私はこないだ琴美を置いていたことを、まずは聞いた。
< 78 / 154 >

この作品をシェア

pagetop