この世界に生まれたのは間違いだったのか?
誰かに批判され続けた私にとって、その言葉は心に響いた。

私は、自然と瞳から頬を伝って涙がこぼれたのを覚えている。

静かに零れた涙は、一粒また一粒とこぼれ、私は涙が抑えられなかった。

この音のない世界に生まれたのは間違いだったのだろうかと、ずっと心の底で思っていた。

この体を呪うように毎日生きてきた私は、その言葉で救われたのだ。

ずっと「難聴」という理由で、自分のやりたいことをおし殺してきた私は、ようやく自分に素直になれ

そうな気がしてきた。



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