刺激を求めていたオレが念願の異世界転生を果たすも、そこはラスボス手前のセーブポイントだった件
世界観の設定としてはよくある冒険物だけど、オレの置かれている設定はどういうことなんだ?

”よくある転生者”の設定と言えば、城とか神殿で魔法使いが魔方陣を使って呼び寄せるものだ。

「なんでオレは”途中から”なんだ?」

なんだか腑に落ちないけれど、まだ確認したいことはある。

「この世界では能力を可視化する方法はあるか?あと、クラス・・・・・・オレの役割や装備品は確認できるか?」

この細腕では戦士や槍使いとかではなさそうだ。恐らくは後方支援系・・・・・・これもお決まりの設定からは外れている様な気がしてならない。

オレは周りの勇者一行と見られる人達が何かを話しているのも聞かずに、インデックスとの脳内会話に専念していた。それが、まさかあんなことになるなんて。

『能力の可視化はステータスという数値によってなされている。先の質問になるべくそう形で答えよう。

ツバサ……汝のレベルは『Lv185/300』。
現在のジョブは『ソリッドアーチャー(熟練度MAX)』
装備は
頭:吟遊詩人の帽子
銅:根無し草のマント
靴:宵闇の影
武器:世界樹の弓-閃光の矢(無限) となっている』

ステータスによる数値化、ジョブ(職業)にも熟練度の設定があるところを見ると、RPGゲームの様な世界観という感じだろうか。

ふむ、ソリッドアーチャーか・・・・・・とりあえず装備とジョブ名からして、やはり後方支援であることは間違いなさそうだ。ステータスによって能力が分かるのはありがたいな、とはいえLvカンスト(限界値)300の中でLv185っていうのはこの世界ではどの程度強いんだろうか。

「……よし。作戦は今伝えた通りだ」
「へっ!?」

ふいに耳に入ったその言葉にオレは慌てふためく。なに?なに勝手に作戦会議進んでるの?オレまだ心の準備もできてないし、なんならインデックスに聞けてない質問も山の様にあるっていうのに・・・・・・つか、1番大事な作戦ってなんだ!?

そんなオレの様子になど目もくれず、重装備に身を包んだ男が業火を剣にしたかのような大剣を突き出した。

この目の前のセーブポイントらしきオブジェに、おぞましい扉。その前で士気を高めるパーティー御一行。そしてついに、重剣士が洞窟にこだまする程に高らかに声を張り上げる。

「ゆくぞ!魔神王は我らの手で葬り去ろう!!」
「「「うぉぉぉおっお!!!」」」



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