刺激を求めていたオレが念願の異世界転生を果たすも、そこはラスボス手前のセーブポイントだった件
「じゃあ皆、集まって」
扉の前まで移動するとイスカが詠唱を始めた。聖典からあふれ出した光が、イスカの言霊に呼応するように辺りに広がっていく。その光の粒が弾け、合わさりながらパーティーメンバーの身体を優しく覆っていく。
その光はとても温かく、肌に触れると溶けて身体の奥へと染み込んでいくのが分かった。
「此の者達に聖なる加護を「リフレクト・ゾーン」!更なる恩寵の光を「ウェア・チャーチ」!」
これで瘴気の破片によるダメージはリフレクト・ゾーンによって無効化され、瘴気の源泉によるダメージはウェア・チャーチによってイスカと共有されるようになった。イスカは力強く頷いていたが、オレの不安は解消されないままだった。
どうかこのまま何事もなく終わって欲しい。でも、これで幽門の扉を抜ける時にイスカに強く負担がかかるようなら、あの人への疑念が確証に変わってしまうことになる。
円陣を組んだ時の心強さは本物だった。穏やかな空気だって偽りだったとはどうしても思えない。どうか、どうかオレの杞憂に終わってくれよな。
「では、いくぞ」
アレックスがそう言って、懐から鍵を取り出した。漆黒の門は固く閉ざされていて鍵穴など見当たらない。アレックスはおもむろに鍵を差し出す。
すると何もなかったはずのアレックスの目の前に、鋭い牙を見せつけるように口を開けた骸骨が浮かび上がる。その骸骨は差し出された鍵をアレックスの腕ごと口に入れたが、鍵だけを飲み込んで口を閉じた。骸骨は「ケタケタ」と笑って、また扉の中に戻っていく。
鍵を飲み込んだ扉はウゾウゾと蠢いて、装飾されていた髑髏がけたたましく笑い、埋め込まれていた人間は悲鳴をあげ、扉が少しずつ開く度に骨が軋んでいる音が不快に響いた。
「悪趣味な・・・・・・」 思わずそうオレはこぼしていた。
ひとりでに開いていく扉の先に見えたのは、異空間へと続くブラックホールの様な渦巻く入り口だった。門は最大まで開くと断末魔と笑い声が消えた。
「行くぞ」 と低い声で合図をして、アレックスが先頭になり異空間へと入っていった。ミーアがそれに続き、アサシン、ミネルヴァお姉さま、イスカ、オレは最後に異空間へと足を踏み入れた。
扉の前まで移動するとイスカが詠唱を始めた。聖典からあふれ出した光が、イスカの言霊に呼応するように辺りに広がっていく。その光の粒が弾け、合わさりながらパーティーメンバーの身体を優しく覆っていく。
その光はとても温かく、肌に触れると溶けて身体の奥へと染み込んでいくのが分かった。
「此の者達に聖なる加護を「リフレクト・ゾーン」!更なる恩寵の光を「ウェア・チャーチ」!」
これで瘴気の破片によるダメージはリフレクト・ゾーンによって無効化され、瘴気の源泉によるダメージはウェア・チャーチによってイスカと共有されるようになった。イスカは力強く頷いていたが、オレの不安は解消されないままだった。
どうかこのまま何事もなく終わって欲しい。でも、これで幽門の扉を抜ける時にイスカに強く負担がかかるようなら、あの人への疑念が確証に変わってしまうことになる。
円陣を組んだ時の心強さは本物だった。穏やかな空気だって偽りだったとはどうしても思えない。どうか、どうかオレの杞憂に終わってくれよな。
「では、いくぞ」
アレックスがそう言って、懐から鍵を取り出した。漆黒の門は固く閉ざされていて鍵穴など見当たらない。アレックスはおもむろに鍵を差し出す。
すると何もなかったはずのアレックスの目の前に、鋭い牙を見せつけるように口を開けた骸骨が浮かび上がる。その骸骨は差し出された鍵をアレックスの腕ごと口に入れたが、鍵だけを飲み込んで口を閉じた。骸骨は「ケタケタ」と笑って、また扉の中に戻っていく。
鍵を飲み込んだ扉はウゾウゾと蠢いて、装飾されていた髑髏がけたたましく笑い、埋め込まれていた人間は悲鳴をあげ、扉が少しずつ開く度に骨が軋んでいる音が不快に響いた。
「悪趣味な・・・・・・」 思わずそうオレはこぼしていた。
ひとりでに開いていく扉の先に見えたのは、異空間へと続くブラックホールの様な渦巻く入り口だった。門は最大まで開くと断末魔と笑い声が消えた。
「行くぞ」 と低い声で合図をして、アレックスが先頭になり異空間へと入っていった。ミーアがそれに続き、アサシン、ミネルヴァお姉さま、イスカ、オレは最後に異空間へと足を踏み入れた。