刺激を求めていたオレが念願の異世界転生を果たすも、そこはラスボス手前のセーブポイントだった件
異空間を抜けて幽門の間へとたどり着いた。瘴気の源泉によるダメージを過分に受けてしまったイスカは大分疲弊していた。それなのに、あの人や皆にこれといった変化は見られない。門の前ではあれだけ和やかに過ごしていたのに、同じメンバーとは思えない態度で、オレは少し寂しくなった。
幽門の間は西洋の教会のような造りをしているが、建造物としてはおおよそあり得ない程に広大な空間が広がる。幾つもそびえ立つ柱はそれぞれが鉄塔のようなスケールで、頭上で輝くステンドグラスによって絵画が描かれている。その1色分のガラスでさえも相当な大きさで、まるで自分が小人にでもなったかのような錯覚をしてしまう。
「ねえ・・・・・・」
「ああ、奥に”いる”な」
先頭に立つアレックスとミーアがそう言って臨戦態勢をとる。その様子を見て後ろのオレ達も警戒を強める。
暴力的なまでに鮮やかな赤いカーペットは延々と真っすぐに伸びている。6人が全員並んでも余りある横幅、その真ん中を隊列を組んで進んでいく。
カーペットの先は更なる深奥へと繋がる扉にまで伸びている。その扉の前で圧倒的な殺気を放つ3匹の魔人が待ち構えていた。
「ようこそ勇者様ご一行」
再び相対するティケルヘリア、カミーラ、ノブレス。近づいてきたオレ達に向かってティケルヘリアは深くお辞儀をして口を開く。
「我輩は魔神王様直属の「幽門を守護する者」ヴァンパイア王=ティケルヘリア=サーヴァンス=ウルクイップ4世である」
相変わらず長ったらしい名前で覚えられないな。ティケルヘリアを見た瞬間から、オレは無意識に前の戦いで引きちぎられた首筋に手を当てていた。「ははっ」 と笑みを浮かべたオレを見ていたイスカはオレから一歩退いていた。
「ネー、あんなザコの相手しなくちゃいけないノ?幽門の鍵持ってたのってどこのどいつだったっけ?」
「確かアスタロトではなかったかしら?アスタロトには不満しかないけれど、あんな下等な魔族に鍵を預けるなんてそもそもどうかしていると思うわ、ティック」
ティケルヘリアの横にいる幼女二人。赤髪のカミーラと、丸眼鏡をかけている利発そうなノブレス。どちらも外見からは想像もできない狂気に満ちたオーラを放っている。
「はっ、大変申し訳ありませんカミーラ様、ノブレス様」
ヴァンパイアの王たるティケルヘリアが頭を垂れる化け物相手に本当にアレックスとミーアだけで各個撃破ができるのだろうか?そして、後方支援部隊で30秒という途方もない時間を、ノブレスとティケルヘリアを同時に相手取り稼ぐことは本当に可能なのだろうか・・・・・・
幽門の間は西洋の教会のような造りをしているが、建造物としてはおおよそあり得ない程に広大な空間が広がる。幾つもそびえ立つ柱はそれぞれが鉄塔のようなスケールで、頭上で輝くステンドグラスによって絵画が描かれている。その1色分のガラスでさえも相当な大きさで、まるで自分が小人にでもなったかのような錯覚をしてしまう。
「ねえ・・・・・・」
「ああ、奥に”いる”な」
先頭に立つアレックスとミーアがそう言って臨戦態勢をとる。その様子を見て後ろのオレ達も警戒を強める。
暴力的なまでに鮮やかな赤いカーペットは延々と真っすぐに伸びている。6人が全員並んでも余りある横幅、その真ん中を隊列を組んで進んでいく。
カーペットの先は更なる深奥へと繋がる扉にまで伸びている。その扉の前で圧倒的な殺気を放つ3匹の魔人が待ち構えていた。
「ようこそ勇者様ご一行」
再び相対するティケルヘリア、カミーラ、ノブレス。近づいてきたオレ達に向かってティケルヘリアは深くお辞儀をして口を開く。
「我輩は魔神王様直属の「幽門を守護する者」ヴァンパイア王=ティケルヘリア=サーヴァンス=ウルクイップ4世である」
相変わらず長ったらしい名前で覚えられないな。ティケルヘリアを見た瞬間から、オレは無意識に前の戦いで引きちぎられた首筋に手を当てていた。「ははっ」 と笑みを浮かべたオレを見ていたイスカはオレから一歩退いていた。
「ネー、あんなザコの相手しなくちゃいけないノ?幽門の鍵持ってたのってどこのどいつだったっけ?」
「確かアスタロトではなかったかしら?アスタロトには不満しかないけれど、あんな下等な魔族に鍵を預けるなんてそもそもどうかしていると思うわ、ティック」
ティケルヘリアの横にいる幼女二人。赤髪のカミーラと、丸眼鏡をかけている利発そうなノブレス。どちらも外見からは想像もできない狂気に満ちたオーラを放っている。
「はっ、大変申し訳ありませんカミーラ様、ノブレス様」
ヴァンパイアの王たるティケルヘリアが頭を垂れる化け物相手に本当にアレックスとミーアだけで各個撃破ができるのだろうか?そして、後方支援部隊で30秒という途方もない時間を、ノブレスとティケルヘリアを同時に相手取り稼ぐことは本当に可能なのだろうか・・・・・・