あかいろのしずく


近かったので屋上に行ってみると、女の子は柵の前で泣き崩れていました。僕は話しかけようとそちらに向かったけれど、次の瞬間、下の――校庭の方からも同じように、悲鳴に似た声が上がりました。


どういうことだ?
僕は柵を掴んで身を乗り出し、下を見下ろしました。




......。



それを見つけると、すぐに柵から手を離して後ずさりしました。何も言えず僕はただ立ち尽くしました。


遠くからも、分かりました。


透き通るような青白い頬には、こめかみからこぼれてきた赤色の雫が列を作って流れ、それは地面のアスファルトまで垂れていました。



バカみたいに晴れた日のことです。

頭上には雲一つない青空。空気が乾いているけれど、いつもよりも少し暖かいでしょうか。
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