あかいろのしずく










瞼の裏に光を感じる。


冷たい。頬が床にくっついている。手は? 動く。ちゃんと、動かせる。
声が聞こえる。名前じゃないけど、誰かが呼んでる。

体が揺れる。揺らされている。


意識がやっとはっきりしてきて目を開けると、知らない女の人と男の子が、私を上から覗き込んでいた。


体、だるいなあ。
......動けない。



「大丈夫?」



女の人が私に話しかけてきた。
大丈夫、なのかな。分かんないや。



「サユリ先輩、この人も重症じゃないですか」

「えっ、じゃあ私達三人だけなの!?」

「......そうですよ」



......??
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