あかいろのしずく
現状が全く理解できない中辺りを見渡すと、そこで初めて私は、自分が全く知らず見覚えもない部屋にいることに気づく。


よく見れば、「宇治田(うじた)」と書かれた女の人の着ているジャージ、私の学校のものだ。でも色が違うから、この人は三年生?


じゃあ隣の男の子は......。




「あの、ここはどこですか」



とりあえず、私は二人にそう尋ねてみた。



「オレらも分かんないんですけど、部屋の感じから言うとコテージみたいな建物です。見覚えあります?」



コテージ?
小学校の頃キャンプで使った、あの木の建物か。
けど、こんな場所じゃなかった。

私は少年の問いに首を横に振る。
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