あかいろのしずく

それを聞いて、ショウトが「はっ」と乾いた笑みを浮かべた。



「ていうか、この話が聞かれている時点でアウトでしょ」



ダメだ。

話してはいけない。逃げてもいけない。
何をしても、先生が私達の行動のほとんどに制限をかけているせいで無駄になってしまう。


やはり、あの女の子の自殺の原因について三人のうちの誰かが口を割らない限り、ここからは出られないということなんだろうか。


私達に残されているのは、この選択肢だけ?


そう思い、膝の上で握った手にぐっと力を入れた時。














「いや、今あいつは近くにはいない」






アズマが放った一言に、辺りが静まり返った。
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