あかいろのしずく

その時。



いきなりぐっと強い力で腕を引かれたと思うと、よろめいた体ごと持っていかれて、そのまま私は軽やかにベッドに倒れる。


そして生憎壁にベッドが沿っていたため、飛び込んだ私はゴン！と思い切り壁に頭をぶつけた。


何が起きたのか分からず、ただ視界が回るのと、その後に襲ってきた酷い頭の痛みを確認していた私。次に目を開いたら、視界には滲んだ涙で歪んだアズマがいた。




「......悪い」



ベッドに倒れた私に向かって、アズマが小さな声で言い放った。
いや、そう思うなら引っ張らないでくれ。



いつの間にかアズマが反対に私の手を握っているのはどういうことなのか。