あかいろのしずく
横になったままそう言うと、サユリさんはおはよう、と笑顔で返してくれた。
一方、



「相変わらず血の気のない顔ですね」

「......ありがとうショウトくん」



貶しているのかな?



サユリさんが「ちょっと!」とショウトを肘でつつく。「オレなりに心配して言ってるんですよ」と、ショウトは口を尖らせる。


心配してくれているのか。うん、それは素直に嬉しい。
そんなことを考えていたら、唐突にショウトが言う。




「低血圧なんですね」


「「え?」」



私とサユリさんの声が重なった。
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