あかいろのしずく

「話さないといけないことがある。まだ誰を選ぶか悩むなら好きなだけ悩め。部屋には戻って来いよ」




アズマは最後にそう言い、部屋を出て行った。





そして、私はその場に膝から崩れた。心の中はぐちゃぐちゃだった。


私はどう責任をとればいいのだろう?
それだけが頭をぐるぐると回っていた。


クローゼットの時のこと。自分の今までの発言。

振り返っても思うのは、自分は何をしていたのだろうということ。




自分が恥ずかしいんだ。アズマが救いの手を差し伸べてくれたのに。
顔が上げられない。悲しくて、涙ばかりが出てくる。




許されるんだろうか、私は。
許されていいんだろうか。


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