あかいろのしずく

「俺は何も知らない」




西平の問いに答えて、ふ、と笑った。
バックミラー越しに、怪訝そうな彼の顔が映る。






――教えるもんか。






誰が何と言おうと、俺にとってあいつが大切な友達だってことは変わらない。


罪を裁けない人間になったっていい。この判断が間違えていたっていい。
ただ、大切なひとと交わした約束ぐらい、守れるような男になりたい。


俺の人生だ。俺が決めてなにが悪い?





間もなく俺は意識を失った。
次に知らない部屋で目を覚ました時には、そこには俺と、四人の子供がいた。
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