あかいろのしずく
「私、女子力ないけど」
唐突に、呟くように小さな声でナナカが言った。
それから一つ息を吸うと、
「ゲームが好きなの! バトル物とか、色んなゲームが好き。実況とかもいっぱい見るの。動画も見る。メイクとか興味ないけど、可愛くもないけど。それでも......いいの?」
それだけ一気に早口で言い、俺からぱっと離れた。
暗くてよく分からないけど、ナナカは苦笑いのような困ったような変な顔をしていた。なんだ? なんでそんなこと強要する必要があるんだ?
俺はふ、と噴き出して笑う。
「別にいいんじゃねえの」
そりゃ年は一つ違うけどさ、もうどうせ友達なんだし。
俺が答えると、何を思ったのか、ナナカが「やった」と笑った。
「私、私も、アズマくんのこと好き!」