あかいろのしずく
と、そこで俺はあることを思い出した。
そうだ。別に助けを呼ばなくてもいいのか。
「あ、やっぱいいわ」
「なんでよ! 死んじゃうよ!?」
「それよりお前......」
右隣に視線を移して後悔する。死体が目に移りまた吐き気がこみ上げてきたが、ぐっと堪えた。ナナカ、まさかこんな近くにあって気づいてないとかじゃないだろうな。大丈夫なんだろうか?
そう聞こうとしたら、「あれ」とナナカが何かに気づいたような声を出す。
「そういえばペンダントどうしたの? ずっと首にかけてたやつ」
「......無くした」
「探そっか? 大事なものなんじゃないの?」