広瀬くんは、いっぱい食べる私が好き
私を見つめる広瀬くんの目。

なにかを期待するような、なにかを恐れているような色にゆらぐ。

なぜかその目をずっと見るのが苦しくて、そらしてしまった。

「日下部さん?」

「……あ、ごめんね。えーと……うん、いいよ!私、食べるの大好きだし、広瀬くんのお弁当美味しいし!」

「あ、ありがとう…!うれしいよ」

「ううん、私こそー。なんだかもらってばっかりになっちゃって悪いなー」

「そんなことないよ。食べてもらえて本当にうれしいんだから」

「……うーん」

そうはいっても。

食材費だってあるだろうし。

あまり頻繁に作ってもらうわけでなくても、やっぱり作ってもらうばっかりというのもなあ……。

私からもなにか広瀬くんにしてあげられたら。

むむむ?

「それならさ、食べた料理の感想とか……よければアドバイス聞かせてよ。日下部さんのお父さん、料理上手なんだよね。参考にしたいな」

「………あ!だったらさ」

私の頭にひとつひらめきが。

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