広瀬くんは、いっぱい食べる私が好き
「うん!いいですね。どのプレートもバッチリだ」


お父さんが数枚のホットプレートで焼かれたたくさんの餃子をチェックしながら嬉しそうにそう言った。

というわけで

無事に餃子完成だ。


「せっかくなんで出来立てを食べましょう!タレも数種類用意してますから、いろいろつけてみてください。中の具によって相性のいいタレも違うと思います。ぜひお気に入りの組み合わせを見つけてね」


「わーい!やっと食べられるー!いただきまーす」


焼きたてアツアツの餃子をタレにつけて口にほりこむ。


「あ、あつ……っ、でも、んー……おいっ、しい」


大葉入りの餃子だったらしい。

肉汁がジュッと口の中にあふれて、大葉のさわやかな香りがとそれを優しく包み込む。

はじめは王道の酢醤油のタレ、半分食べたら梅の味のサッパリしたタレに変えてみた。

これがまた相性がいい。


「んーっ、最高……!いくらでも食べられちゃうなーっ」


自分の言葉通り、次々と餃子を食べ続ける。

スタンダードな餃子に、チーズ、明太子、パクチー……


「幸せー!……っと」


すっかり餃子の世界に旅立っていた私だが、ふと手を止めた。

隣からの視線に気づいたからだ。

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