広瀬くんは、いっぱい食べる私が好き
「あ、ひ、広瀬くん」


隣に座る広瀬くん。

私と目が合うとにこりと微笑んだ。


「み、見てた?」

「うん。日下部さんの食べているときの顔、好きだから」

「あ、あははー。照れますなあ……て、いうか!広瀬くんも食べようよー。美味しいよ」

「うん」


広瀬くんは一番手前の餃子に手を伸ばす。

酢醤油のたれにつけ、一気に頬張った。

焼きたてだから当然熱い。

はふはふと口を動かし、飲み込んでから小さくため息をつく。

ちょっぴり子供みたいな仕草。なんだか可愛い。


「熱かった?」

「うん、でも美味しい」

「だよね!フライパンで焼くのもいいけど、こうやってホットプレートから食べるとずーっとアツアツで美味しいんだよー」

「うん。……本当に美味しいよ。今まで食べた餃子で一番美味しいかも」

「えー、本当ー?」


少し大袈裟だなあと思ったけれど。

広瀬くんはお世辞とかではなく、本気で言っているみたいだった。

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