広瀬くんは、いっぱい食べる私が好き
(いや!それの何が悪いんだ!)

私ったら、私ったら。
なにをモヤモヤしているの?
好きな人と一緒の班になりたいのは当たり前じゃない。せっかくの修学旅行だもん。

更級さんのことも嫌いじゃない。弥生だって更級さんと仲悪くない。
だからいいの。これでいいんだ。
なにより更級さんがうれしそうだし。
広瀬くんも笑ってる。
……広瀬くんも、うれしいよね。

(……あれ?)

今、胸がなんだかチクンとした。
わたし………?

「なんかよくわからん班になったね」

弥生がぽつりとつぶやく。

「え、あ!や、弥生……」
「ま、いいか。なんか楽しそうだし」
「そ、そう……だね」
「和花。……なんか困ったら相談してね」

そう私にだけ聞こえるように言ってくれた弥生。

「い、いや。大丈夫だよ。楽しもうね、修学旅行」

なんて返事したけれど。
弥生には相談できない問題が起きたのは、この数時間あとのこと。

☆☆☆☆☆
< 68 / 74 >

この作品をシェア

pagetop