広瀬くんは、いっぱい食べる私が好き
「……は?なんだお前」

上級生は今度は広瀬くんをにらみつける。

でも広瀬くんは少しも動じることもなく、真っ直ぐな視線を向けていた。

「先に並んでいたのはこちらの彼女たちです。先輩方はきちんとならび直してください」

「あ?」

「ルールです。守ってください。それと上級生だからと言って、そのような高圧的な態度はやめるべきです」

「なんだとテメエ!」

きゃあっと短い悲鳴があがった。

上級生が広瀬くんにつかみかかったのだ。

そばにいた女の子たちがきゃあきゃあと叫び、震えている。

でも当の広瀬くんはひるむことなく、胸ぐらを捕まれたまま、それでも上級生を正面から見据えている。

その様子から恐怖や怯えなど全く感じない。

堂々とした態度だった。

「………っ、ちっ。うぜー」

結局、負けたのは上級生の方。

広瀬くんの毅然とした様子に圧されたのか、目をそらすと、小さく舌打ちしてその場から離れた。

緊張した空気がさあーっとゆるんでいく。
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