広瀬くんは、いっぱい食べる私が好き
「和花ちゃん!つまみぐいしてないよね!?」
「し、し、してません!まだ!」

本当はかなり危なかった。

「よし。じゃあ、生地が焼けたから早速包んでいきましょー」
「やったー!!」

テーブルに何枚もの生地と、クリーム、フルーツが並べられ、クレープ大会が始まる。
焼きたての生地はまだ湯気が出ていて、甘い匂いがふわふわと辺りを満たしていく。
私たちは席につき、「いただきます」と両手を合わせた。

同好会、という呼ばれからからわかるように、少人数の我がクラブ。
現在四人しかいない。
でもみんな仲がいいし、こうして一緒にお菓子を食べる時間が私は大好きだ。

「うーん。どれにしようかなー……やっぱりはじめは定番のチョコバナナかな」

生クリームをしぼり、その上にバナナを並べる。

「チョコソースをかけて……アクセントにナッツ……よし、巻くぞー」

くるくる……と生地を動かし円錐形にしていく。
先輩が持ってきてくれた包み紙でくるんで完成だ。
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