広瀬くんは、いっぱい食べる私が好き
学校を出て、家から反対の場所にある商店街。
その近くにクレープ屋がある。
クレープ屋といっても、移動式の車での営業。
だから日によってはないときもあったりして。
だけど今日は大丈夫。バッチリ営業中だった。

「ふふ、楽しみー」
車の近くに並べられたパイプ椅子に座り、出来上がりを待つ。
どうやら今お客さんはわたしだけみたい。
日によっては行列が出来ていたりするので、今日はラッキー。あまり待たなくてよさそうだ。

……外に屋根もなくおかれているパイプ椅子。
座ると空がよく見える。
今日はちょっぴり雲が多いけど、雨はなさそう。
これくらいの天気もたまには悪くない。

──いつも晴れでなくてもいい。
昔、お父さんがそう言っていた。
あれは何の話のときだっけ?
たしか………

「……日下部さん?」
「え?」

ふいにかけられた声にハッとする。
目線を空から戻すと、目の前に広瀬くんが立っていた。
隣には長森くんもいる。
学校帰りかな。
< 74 / 74 >

ひとこと感想を投票しよう!

あなたはこの作品を・・・

と評価しました。
すべての感想数:0

この作品の感想を3つまで選択できます。

この作家の他の作品

東雲くんは【平凡】がわからない!

総文字数/13,868

恋愛(ラブコメ)26ページ

表紙を見る
三番線に恋がくる

総文字数/21,653

恋愛(学園)45ページ

表紙を見る
臆病なきみはうそをつく

総文字数/50,049

恋愛(学園)94ページ

表紙を見る

この作品を見ている人にオススメ

読み込み中…

この作品をシェア

pagetop